ベチバーの可能性を探る旅。

A journey to explore the possibilities of vetiver.

出会い、感動。

ベチバーティーシリーズの誕生は、INSPICE製品の調香味を監修する西村祥が、ベチバーという世界で唯一の根っこのハーブをお湯で煮出し、お茶として飲むという体験から始まりました。

初めての一口。すうっと全身が透明になっていくような、優しく清々しい香り。大地の芳醇なエネルギーが脈打ち流れ込んでいくようなスモーキーで深みのある味わい。自然としぜんに外界から内面へ意識が向き、気持ちがすとんと落ち着く。調和な心に満たされ癒されていく。あまりの心地よさに、そのまま目を瞑り、深い眠りに落ちます。

翌朝、このベチバーを通じて今を生きる私たちの日常に「活力」をお届けしたいという想いが強く芽生えます。調べると、南インド原産のイネ科の植物で、2500年前から人々に親しまれてきたアーユルヴェーダの薬草でもあるハーブ。『お釈迦様の薬箱』という修行中の僧侶の持ち物に入っている薬草でもあるとか。そんなベチバーを、お茶の名産地・福岡県八女市星野村にて、丁寧に自然栽培している生産者がいることを知り、連絡をとって、現地に足を運ばさせていただくことに。

星野村。ベチバー畑。

星野村はとても美しい村でした。晴天にも恵まれた八月の星野村は、広がる自然、空気、流れる時間すべてがキラキラと輝きを放っており、この風土に育まれるベチバーの喜びの声が聞こえてくるようです。

現地に到着し、この土地でベチバーを生産している代表の片山 恵理さんからベチバーへの情熱、星野村について、ご自身の自然観について、沢山のお話をお聞きし学ばさせていただきました。

そしていよいよ、ベチバー畑へ向かいます。軽トラックの荷台に揺られながら、山道を進んでいきます。食べたいと想えるほど綺麗な空気の先に広がるベチバー畑。遠い記憶の中にある原風景を思い出し見ている気分になります。

八月のベチバーはまだ青々と茂ってました。空をめざして上へ上へと伸びる葉と、大地をしっかり掴もうと伸びゆく根の光景が、ベチバーの持つ力の根源のようにも見えます。

片山さんの計らいに預かり、私も一株抜かせていただくことに。根が千切れないように慎重に。しかし同時に相当に力を入れないと、大地をしっかりと掴むベチバーは抜けません。初めてにしては上出来のようです。抜かせていただき、ありがとうございます、ベチバー。

可能性に満ちた奇跡のハーブ。

畑から戻り、火照った体を癒してくれたのは、やはりベチバー。片山さんが淹れてくれたアイスティーの美味しさが忘れられません。それもそのはずで、原産のインドでは酷暑を乗り切るための滋養強壮に欠かせないものとして愛飲されています。また、生活を快適にしてくれる植物としても珍重されてきました。たとえば、ベチバーの根を束にして編み込んだ簾(すだれ)は、強い日差しを避け、時々水をかけて気化熱で涼をとります。清涼で香りの良い風が吹き込むようです。

また、寝苦しい夜には、ベチバーの根を刻んで枕に入れるのだそうです。根には熱を下げる効果もありますから、よい香りに包まれて涼しく眠りにつけるとのことです。

話を食に戻します。

ワインのテロワールといった表現と同じで、植物は同品種であっても、育まれる環境によって味や香りに違いが生まれ、個性となります。ベチバーも同じく、八女市星野村産のものは、海外のものとは比べ物にならないくらい芳醇で優しい香りに育つことがわかりました。だからこそ、繊細な「お茶」として愉しむには最高のベチバーが日本の星野村で収穫できることに、大きな喜びと感謝を感じてなりません。

インスパイスでは、魅力あふれるベチバーという奇跡のハーブの可能性を探求し続けます。「VETIVER TEA シリーズ」をはじめ、今を生きる私たちの日常に「活力」を与え、楽しい、嬉しい、美味しい毎日の一助となれるような商品、体験をお届けしていきます。

一人でも多くの方に、ベチバーという地球からの贈り物が届きますように。

自然と、しぜんに。